モロッコ旅行を計画する際、どの時期がベストシーズンかについて調べる人は多いものの、ラマダンを気にする人は少ないようです。
ラマダンは1年に1度行われるイスラムの祝日であり、1ヶ月間断食が行われます。
2020年のラマダン期間は、ちょうど新型コロナウィルスの影響でモロッコの自体もロックダウン状態でしたが、来年の2021年もラマダンの期間も、日本のGWとかぶります。
「現地の文化をよく知りたい!」と、好奇心が強い人にとっては、ラマダンは訪れる良い機会かもしれません。
ですが、ラマダンの期間に旅行する場合は、知っておくべきことが多くあります。
2021年のGWにモロッコ旅行を計画したい人はもちろんのこと、これからモロッコへ行きたいという方は、是非この機会にラマダンについて知ってみましょう!
目次
ラマダンとは
ラマダンは、イスラム教において最も聖なる月であり、モロッコのほとんどの人々にとって、とても重要な1ヶ月間となります。
イスラム教徒は、この期間中の日の出から日没まで、すべての飲食・喫煙・性行為・悪い行い(喧嘩など)をいっさい断ちます。そして、必ずモスクを訪問し、お祈りを捧げるのです。
イスラム教徒は1日に5回お祈りを行うということはご存知の方も多いはず。ラマダン期間中は、日没時の4回目の祈りの後に、イフタール(朝食)が始まります。
この時間には、モロッコの人々は家で食事をする人がほとんどのため、モロッコ最大の都市でさえ、人々がいなくなります。
ちなみにモロッコでは、イフタールにデーツ(ナツメヤシ)、ハリラスープ、チェバキアというお菓子が一般的に食べられています。
断食に明けに胃がびっくりしないように、お腹に優しいものを食べるんですって!
2021年のラマダンの期間について
2021年のラマダン期間は4月12日(月)〜5月11日(火)と予測されています。
というのも、ラマダンは三日月の観測に依存するため、日時は正確には言えません。
また、このラマダンは毎年変更され、西暦では毎年約11日程ずつ早まります。
ラマダンが終了しても、多くの家族は数日追加の日数を設け、友人や家族と祝うために最大1週間の仕事を休むことも少なくないそうです。
ラマダン明けにやってくるのは、「イード・アル・フィトル」というラマダン明けをお祝いするイード(祭り)があります。
こちらイードでは、普段と少し違ったお祝いの食事を、家族で集まって食べる習慣があります。
ラマダン中のモロッコ訪問での影響について
それではここからは、ラマダン中にモロッコに訪れる場合、旅行客にはどんな影響があるのか見ていきましょう!
通りが閉鎖される
ラマダンは非常に神聖で重要な月であることを意味しているため、特にこの期間は、ほとんどの人々がモスクで毎晩祈るように心がけています。
そのためか、モスクに人々がいつも以上に集まるので、普段開放している通りでも、閉鎖されていることがあります。
観光中に車で移動する場合は、いつも以上に時間に余裕を持って行動する方が無難です。
ショップやレストランの営業について
一部のショップやレストランが営業していない場合があります。
また、営業しているショップやレストランでも、通常営業とは違った時間で営業している場合があります。
営業しているお店のほとんどが、午後5時〜午後6時頃にすべてがクローズアップし始め、少なくとも午後7時から午後9時の間には閉まります。
断食明けの食事の時間帯(約午後11時〜)は、飲食店が開かれますが、ショッピングエリアは開かれないことがほとんどです。
1日の時間が変わる!?
ラマダンの期間中、モロッコは時計を変更するため、それに伴いお店の営業時間が変更されます。
ラマダンの最初の日の時間は1時間戻り、最後の日に1時間進めるため、ちょうどこのタイミングでモロッコに発着する場合は時間に注意しましょう。
午後7時から午後9時までは、ほとんど何もできないと言っても過言ではありません。先述した通り、ほとんどの人は家に帰って1日の最後の祈り捧げます。
そして、午後11時〜真夜中に夕食を食べ、日の出までずっと起きていることがほとんどなんだそうです。
そのため、お店のほとんどは午前10時以降でないと開かないことが多いです。
昼と夜はほとんど反転している感じですね!旅行者もゆっくり寝て、のんびりとした旅を楽しむのがコツです!
人々は苛立っている!?
断食を毎年行ってるイスラムの人でも、空腹はやはり短気になりやすい人も多いのだとか。
断食では悪行を制御することも目的としていますが、イライラが爆発してしまう人がいるのは、珍しいことではありません。
そのため、交通事故が増えたり、窃盗が増えたりすることもしばしばあるそうです。
特に日没の数時間前は、モロッコ人のほとんどが家でイフタールを食べるために急いで帰るので、交通事故には十分に気をつけましょう。
ラマダン中に旅行者が注意すべきこと
一般的に、旅行客が必ず従わなければならないルールはありません。
ですが、ラマダン中に訪問する場合は、できる限り現地を重じるように心がけましょう。
ここでは、そのポイントをご紹介いたします。
服装について
モロッコでは女性はヒジャブを身につけている場合がほとんどです。
そのため、女性はもちろんのこと、男性もであまり素肌を見せない服装を心がけましょう。
先に述べたように、ラマダン期間は人々が信心に集中しようとしている月です。
もちろん観光客を全く気にしない人もいますが、実は「素肌を覆う外国人旅行客はとても礼儀正しい」と、モロッコ人に高く評価されているのも事実です。
特にラマダン期間に観光する場合は、服装には気を配ることをおすすめします。
飲食について
モロッコ人は断食する必要がない特別な要件(病気や妊娠など)がない限り、日中に飲食することはありません。
この断食は、旅行者や非イスラム教徒には適用されませんが、モロッコの人々の前での飲食には配慮しましょう。
レストランの内部に現地の人がいる場合でも、少し離れて食事を摂るなど、気を配りましょう。
アルコールについて
ラマダンの10日前から期間中の1か月間は、一部を除いてアルコールはほとんど販売されていません。
普段アルコールを置いているスーパーでも、この期間の販売は行われない可能性が高いです。
一部のリヤド・ホテル・バーでは提供している場合もありますが、くれぐれも公共の場や、人々の前で飲むようなことは避けましょう。
モロッコはイスラム教の国ですが、ビールやワインを生産しています。通常はスーパーやレストランではお酒を飲むことができますし、モロッコ人の中にはお酒を飲む人もいます!
ラマダン中のモロッコの楽しみ方!
もし、ラマダン期間中にしか行けない場合、もしくはラマダンを経験してみたい場合は、どのような体験ができるのか、モロッコ人に直接聞いてみました。
モロッコの人々は、ラマダン期間でも観光客はウェルカムな体制です!
断食に挑戦?
モロッコ人曰く、断食はやった人にしかわからない喜びがあるんだそうです。
私自身もモロッコ人に進められて、2020年のラマダンは断食に挑戦してみたのですが、日没後に食べるご飯が感動するほど美味しかったです。
とは言ったものの、日本にいた私は3日間しか続けることができませんでした。笑
やはり周りの人も同じく断食をしている環境でないと、いきなり続けることは難しかったです。
もし、ラマダン中にモロッコへ行く機会があれば、断食に挑戦してみるのもありかもしれません。そんなあなたに、モロッコ人はきっと親しみを覚えるでしょう。
イフタールを楽しもう
イフタールは断食明けの大事な食事です。
家族や友人など大勢で集まって神様と食べ物に感謝しながら食べる習慣があります。
そのため、「イフタールを一緒に食べよう!」とモロッコ人に誘われることも少なくないでしょう。
伝統的なモロッコのイフタールを、モロッコの家族と過ごすのはとても良い体験になると思います。
もし、それが難しい場合は、多くのレストランでイフタールが提供されているのでレストランを利用しましょう。
特にモロッコ最大観光都市のマラケシュでは、多くのレストランでイフタールを提供しています。
日没後から深夜の街を楽しむ
通常、モロッコでは夜に出歩くことはおすすめできませんが、ラマダン中は日没後に賑わいを見せます。
そのため、日没後から深夜にかけて街へ繰り出してみると、普段は見かけない女性や子どもであっても外で時間を過ごしています。
せっかくラマダン中にモロッコへ行くのであれば、ラマダンの期間にしか見られない街の雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか?
貴重なイスラム教の生活を垣間見る
ラマダンについてや、イスラム教についてモロッコ人から話を聞く機会を持つのも良いかもしれません。
ラマダン期間は、モロッコの特別な文化を体験し、現地の雰囲気を味わえる1年に1度のチャンスです。
普段は見られない団体でのお祈り
日没の祈り時間に、近くのモスクを歩いてみてください。異教徒はモスクへは入れませんが、普段以上にモスクに人が集まるため、人々がお祈りをしている様子を見ることができます。
何百人・何千人もの人々が一緒に礼拝しているのを見ると、本当に感動します。決して日本では見ることができない貴重な光景です。
お祝いの言葉を現地の人の言ってみよう!
ラマダン期間は、モロッコの人々に「ラマダンカリーム 」や「ラマダンムバラーク 」(幸せなラマダン!)と声をかけてみましょう!
ラマダンは、モロッコに限らず、世界中のイスラム教徒が同時期に断食を行い連帯感を共有しています。
モロッコの人々を見ていても、皆んなでラマダンを祝福する様子が伺え、その時間を分かち合っています。
もしラマダン中にモロッコへ旅行する際は、お祝いの言葉をかけてみると現地の人とぐっと距離が近くなるはずです!
まとめ
ちなみに、モロッコ人から見て日本人は、買い物が大好きなイメージがあるようで、「もしモロッコで買い物を沢山したいなら、ラマダン期間ではない時に来た方が良いよ」とアドバイスもありました。笑
モロッコへ行くのが初めてで観光を思いっきり楽しみたいのであれば、ラマダン期間を避けて旅行を計画することをオススメします。
一方で、ラマダンはイスラムの文化を感じられる貴重な時期でもあります。
もし、普段見られないモロッコの文化や習慣に興味があるのであれば、きっとラマダン中の旅行はあなたにとって素晴らしい体験になるでしょう!
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