誰もが「やりたいことはあるけれど…」と1度は悩むもの。
モロッコに興味がある人で知らない人はいないであろう、モロッコ雑貨のオリジナルブランド「ファティマ モロッコ」の創業者である大原真樹さんの著書『女は好きなことを仕事にする』では、このように語られています。
好きなことをして生きていく
この一言ですね。ものすごくシンプルですが、人生を一番楽しくする簡単な方法。なぜ簡単か?だって、好きなことをやっているから楽しい。好きなことだから、いくらでもできる。頑張れる。我慢もできる。
好きなことで稼げるのか?
好きなことを仕事にすると嫌いになるのでは?
好きなことで生きていけるほど人生は簡単ではない。真面目な人ほど、こういう言葉にがんじがらめになっているような気がします。でも、今日から変わればいい、明日から好きなことすればいい。
無責任だって思われても気にしません。
だって、自分の人生なんですからね。
『女は好きなことを仕事にする』大原真樹 大和書房出版
やりたいことはあるけれど、「でも」「だって」「どうせ自分には…」とやらない理由ばかり探してしまう人は多いように思います。
本書では、モロッコ雑貨「ファティマ モロッコ」を立ち上げた大原真樹さんが、どのように自分の「好き」を形にしていったのかをベースに、これから好きで生きていきたい人に向けたヒントが書かれてます。
この記事では、主に「好きなことを仕事にするうえで役に立つ考え」を抽出して、私の考えや感想を交えてまとめてみました。
やりたいことや、好きなことがあるけど、一歩踏み出せないという方には是非ともオススメしたい本となっています!
目次
『女は好きなことを仕事にする』のもくじ
『女は好きなことを仕事にする』の構成は以下の通りです。
まえがきー突然スリッパを売り歩き「突然頭がおかしくなったの?」
Part1「好き」に値段をつける
Part2「好き」を売る
Part3「好き」と生きる
構成を見ても分かる通り、この本から伝えられているメッセージはとてもシンプルです。
まずはじめに、本書のまえがきを読んで、今の現代社会にとても大切だなと思った考えをシェアしたいと思います!
生き方に’’選択肢’’があることだけでも恵まれている
コロナをきっかけに、今、自分の生き方を見つめ直し始めた人も多いのではないでしょうか?
「今の仕事を続けて大丈夫だろうか?」「今の住んでいる場所は本当に正しいのだろうか?」
このような不安を抱えている人が多い中、日本においても暮らし方や働き方の価値観までもが大きく変わろうとしています。
しかし、こういった’’選択肢がある’’ということ自体、どんなに恵まれていることなのか考えたことはありますか?
本書では、モロッコの女性を例に書かれていますが、イスラム教の国であるモロッコでは、特に女性は自分の道を自由に選べない人は未だ多くいます。
自分にとって、「何が幸せなのか」「何が楽しいのか」「何が好きなのか」、どのように生きるのかという選択肢があって、選ぶことのできる日本人はとても恵まれていると思うのです。
私はまさにモロッコの人々によって、大きく価値観が変わっただけでなく、自分の大切にしている価値にも気がつくことができた経験があります。
さらに加えると、「雇用されるチャンスが沢山ある日本」は、本当に素晴らしい環境だと、私はモロッコの人々によって気づかされました。
「失敗したって、いくらでもチャンスはある」
選択肢がこれほど沢山あるのに、「選ばない」「選べない」という選択をしていること自体、すごくもったいないように思いませんか?
「好き」のエネルギーの偉大さ
著者の大原さんは、本書でこのように語っています。
好きなことならなんでもできるし、越えられるんです。どんな荒波でも。
『女は好きなことを仕事にする』大原真樹 大和書房出版
まだ日本にモロッコの伝統のスリッパ「バブーシュ」の存在がほとんど認知されていなかった頃、大原さんは、バブーシュをいっぱいに詰め込んだスーツケースを引きずりながら飛び込み営業を行っていたそうです。
突然営業に来られたということもあり、ショップ側からは迷惑そうに追い払われたり、見る前から断られたりなんてことも当たり前。
その時を振り返った大原さんの、こんな言葉が印象的でした。
「これぽっちも恥ずかしいと思ったことはありませんでした。だって、私は好きなことをやっているだけですから。」
『女は好きなことを仕事にする』大原真樹 大和書房出版
多くの人が、自分の好きなことや夢を、人に語るのを躊躇します。私自身も「好き」であればあるほど、人に語るのが怖かった経験があるので気持ちがよく分かります。
なぜ躊躇してしまうかというと、それは、「否定されるのが怖いから」です。
ですが、否定されるのが怖いと思うほど、「自分にとって大切な物だ」と考えるようになってからは、人に堂々と語れるようになりました。
どうでもいいことであれば、人にどう思われるかなんて気にもしません。それだけ「好き」と思える何かがあるのであれば、人にどう思われようと堂々と語ることは需要に思います。
なぜなら、人は本当に好きな「それ」を語る時、言葉に情熱と魂が宿っているからです。
そして、どんなに見向きをされなかったとしても、必ず共感してくれる人や、刺さる相手がいるんです!私は自らの経験を通して実感しています。
「好き」の先には感動がある
大原さんは、モロッコ雑貨を単に輸入して売るのではなく、「セレクトショップにモロッコ雑貨を置いてもらいたい」という明確な目標があったとのこと。
というのも、モロッコ雑貨を雑貨として捉えていたのではなく、ファッションの1部として捉えていたからだそうです。
大原さんは、初めてファティマモロッコのカゴバックやクラッチバックを持った女性を町中で見た時の感動を、本書でも語っていました。
「私はこの光景が見たかったんだ」
『女は好きなことを仕事にする』大原真樹 大和書房出版
ビジネスではよく「ゴールを明確にする」や「ペルソナを設定する」などと言われていますが、そういった論理的な考えよりも、自分の「好き」の先にある感動をどれだけ大事にするかの方が大切に思いました。
自分が「好き」だからこそ、自分が心から嬉しいと思う状態はどういう状態なのだろうか?どうなったら自分が1番感動するのだろうか?
そういった自分の「好き」の先にある感動をイメージできれば、自然とゴールやペルソナが見えてくるように思います。
女性だから「好きを仕事」にできる
「女性だから’’好きを仕事’’にできる」という言葉は、そのまま本書に書かれている言葉です。
大原さん曰く、成功を思い描くのは男性脳で、成功しそうなことをビジネスにしたり、儲かりそうだから仕事をするというのは男性特有の起業の仕方ではないかということです。
これに関しては、人にもよるというのが私の意見ではありますが、「好き」なことを仕事にするといった事柄の捉え方は、男性と女性では違う場合が多いというのは確かだと思います。
私は最近、独立して仕事をしている人にお話を聞く機会が多くあるのですが、「好き」なのもに関わっていたいというエネルギーは圧倒的に女性の方が強いように思います。
男性は「好き」を通したその先の「結果」「成功」「稼ぐ」という言葉をモチベーションに仕事をしている傾向が少なからずあるなと感じるからです。
たとえお金を貰えなかったとしても、好きなことを継続できる人がいるとすれば、それはたしかに女性の方が多いのかもしれません。
「好き」の価値を正しく考える
「好き」の価値をあなどらない
好きなことを仕事にしたいと思った時に、それがモノだろうがサービスだろうが、そのものの価値を見抜くことが大切だと本書には書かれています。
好きなことだから儲からなくてもいいというのは間違った考えで、むしろ最高の値付けをするべきだということです。
だからと言って、高く売りつけるわけでもありません。
大原さんは、現地の何人もの人の手で手間暇かけてつくられたクオリティーの高いバブーシュを、輸入・関税・送料などを加味して1足4,000円程の価値をつけました。
「スリッパ1足4,000円以上もするの?」と言われたこともあるそうですが、自分がプライドを持って作ったバブーシュだからこそ、プライドを持って売ったそうです。
「好き」を仕事にするということは、誰よりも自分が、その物の正しい価値を知って、正しい値段をつけることが、その「好き」に対する正しい向き合い方なのかもしれません。
常識の外枠から「好き」の価値を見る
大原さんが、モロッコで仕事を始めた時、文化や価値観の違いから何度も壁にぶつかったそうです。
何もかも細かく厳しい日本と、「未来は神のみぞ知る」という精神でゆったりと時間が流れるモロッコでは、とうてい価値観が違います。
そのため、常にものごとを客観的に捉えて、広い視野を持つことが大切だと本書では語られていますが、これはとても重要に思います。
私たちは普段生活している中で、何かしらの常識や価値観を持って生きていますよね。社会の常識・地域の常識・家族の常識・自分の常識…。常識の種類は実に様々です。
「好き」を仕事にしようと思うほど、ついつい「自分の常識」に沿って物事を進めようとしてしまいがちですが、「自分の中だけの常識かもしれない」と思うことで、相手の常識は何なのか考えることができます。
私はこの内容を読んで、常識については、逆のパターンもあると思いました。それは、気がついたら「相手の常識の枠にハマってしまう」とういうことです。
常識とは、多数の同じ価値観によって成り立つもので、それが必ずしも「正解」ではないと思うことが多々あります。
新たな常識の中で「こうしなければならない…」と思うと、どんどん自分の価値観が失われていきます。(私はこれにハマった経験があります。笑)
だからこそ大事なのは、本書でも語られているような常にものごとを客観的に捉えて、広い視野を持つことだと思います。
あとは、自分の「違和感」を無視しないこと。どんなに正しいやり方でも、その先に「自分の理想の未来(結果)に繋がること」でなければ、いくら結果を出しても本当の喜びには繋がりません。
いかにニュートラルな感情で物事を捉えられるか。自分が大切にしている価値は守るけど、自分の価値だけに沿って進めない。シンプルですがすごく大切なことだと思います。
やるなら今!自分に言い訳はしない!
ベストなタイミングはない
本書では、好きなことができる時間は限られているからこそ、誰にだってチャンスはあるし、早く始めた人が幸せになると書かれていますが、これは本当にそうだと思います。
そもそも、もし好きなことや、やりたいことが明確であるならば、それだけでも人よりも一歩進んでいるのではないでしょうか。
なぜなら、自分にとって何が好きなのか、何がやりたいことなのか’’わからない’’という悩みを抱えている人がとても多いからです。
私自身、「このままの人生でいいのだろうか…」といったモヤモヤ期を数年の間過ごしていたので、この悩みがつきない気持ちは痛いほどわかります。
そして、いざ見つかっても、すぐには叶いません。今度はそれを実現するために、またもや試行錯誤しなければなりません。
ですが、一歩ずつでも行動することで、沢山の選択肢が生まれ、沢山の出会いがあったことは事実です。
やりたいことが見つかったら、まずはやれることからやってみる。これが何よりも近道に思います。
「じゃあどうする?」の言葉の威力
ファティマモロッコの表参道にお店に来るお客さんの中には、「私も好きなことがやりたかった」と言いにくるために来る人もいるそうです。
そして、そんなお客さんに大原さんは、「やってくださいよ!」とお尻を叩くそうなのですが、必ず「でも」「だって」という言葉が返ってくるのだとか。
大原さん自身、「じゃあどうする?」と自分に聞いていくことで、少しずつ進んでいったとおしゃっていました。
もし、自分が「でも」「だって」という理由で、やらない理由を探してばかりいるなと感じる方は、「じゃあどうする?」と自分に問いかける癖をつけてみると良いかもしれません。
「好き」と生きるに大切なのは自分軸
好きなことを仕事にできる性格は?と聞かれたら、「私みたいな人間ですね。」と答える大原さん。
本書では、大原さんは自身の性格を以下のように書かれています。
・とにかくせっかち
・失敗が多い
・自分勝手
・わがまま
・曲がったことが嫌い
・人からの評価を気にしない
・自分がやりたいようにやりたい
とにかく’’わがまま’’であれと言うのですが、いわば自分軸をブラさないことが大切といったところでしょうか。
というのも、ついつい人は他人軸で生きてしまいます。
実際に、私もずっと他人軸で生きてきた過去がありますし、今でもたまに「あっこれは他人軸で判断している…」なんて気がつくときがあります。
自分軸があるというのは、「好き」を仕事にする上では非常に大切だと実感しています。
そうでなければ、せっかく自分の好きなことをやっていたり、そのために努力していたりしても、他人の声に振り回されて本来注ぐべき「自分の理想の未来」にエネルギーを注げなくなってしまいますから!
「できないこと」があって当たり前
自分軸を持つことは大切ですが、すべてのことを自分でやろうとするのではありません。
当たり前ですが、人は人無くしては何もできないのです。完璧な人間はどこにもいませんよね。
自分ができないことがあるからこそ、相手のできることを認められるし、謙虚でいられると本書では語られていますが、そもそも自分にできないと「諦める」ことはとっても大事なことだと思うのです。
そうでなければ、常に他人と比較することになって、自分にはなぜできないんだろうか?と自己嫌悪につながってしまいます。
人はそれぞれ、得意なこと・不得意なことがあるですから、比べる対象として考える方がおかしいですよね。
私は自分の得意なこと・不得意なことを明確にしてから、自分の得意なことをのばすのに力を入れられるようになりました!
「諦める」という言葉は、仏教の言葉で「真実を明らかに見る」という「アキラカニミル」から「アキラメル」になったそうです。
普段どうしても他人と比較してしまう人は、自分の不得意なこと・できないことを明らかにして、諦めてみるといいかもしれません。
そして、自分の得意なことや素質をしっかり理解できるように努めましょう!
自分には正直に。’’好き’’を貫く
ファッション流行の「カゴブーム」の時、アジアのカゴに飽きたアパレルメーカーさんから、モロッコのカゴバックを作りたいと様々なビズネスの話が大原さんの元へやってきたそうです。
ファティマモロッコのカゴではなくて、「オリジナルを作ってほしい」「価格は高くても良い」という話ばかりで、大原さんはプライドが傷つき、すべての話を断ったとのこと。
一番大事なのは、お金儲けや近道して有名になることではなく、自分の’’好き’’を貫くこと。
『女は好きなことを仕事にする』大原真樹 大和書房出版
自分の’’好き’’を貫くのは、シンプルなようで中々難しいものです。ただ好きだからという理由でできることでもないですし、嫌なことをやらないと言うことでもありません。
好きを貫くためには、変わりゆくかもしれない好きを探し続け、極めるために努力し、好きを貫くことを意識し続ける必要があるからです。
ただ、そこに挑戦する価値は私は絶対にあると思うし、そんな生き方は素敵だと思います!
『女は好きなことを仕事にする』のまとめ
今回は、大原真樹さんの『女は好きを仕事にする』をご紹介しながら、私の考えも交えてお話ししてみました。
最後に内容を簡単にまとめます!
以上は、本書の一部を抜粋してまとめたものとなります。
本書では、大原さんがファティマモロッコを立ち上げるまでの様々な経験や想い、これから好きなことを仕事にしたい方に向けた、メッセージが沢山つまっています。
女性ならではの視点だけでなく、強くたくましくもチャーミングな大原さんの魅力も本を読むことで伝わってきます。
もし、「好きなことで生きていきたい!」と思っている方であれば、あたなにとっての、感じるものやヒントが見つかると思います。
ぜひ1度手にとって読んでみてくださいね!
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