皆さんはモロッコ料理を食べたことはありますか?
アジアやヨーロッパ諸国の料理は何となくイメージがつく方も多いと思いますが、モロッコ料理と聞いてパッと思い浮ぶ人は少ないようです。
実際に私がモロッコへ行く時、周りからは「モロッコではどういうご飯を食べるの?」と聞かれることが多いのです。
しかし、モロッコ料理は、スパイスやハーブを使った豊かな風味、ゆっくり調理されたお肉やクスクスが実は世界的にも有名で、グルメ大国なんですよ!
そこで、今回はモロッコの定番グルメを5つご紹介いたします。
併せて、モロッコの食にまつわる礼儀やモロッコの料理本も紹介いたしますので、是非ご覧ください!
目次
モロッコのご飯は美味しい!モロッコ料理の特徴
モロッコ料理は、先住民ベルベル人の伝統料理と、アラブから伝わった中東料理が入り混じった特有の料理であり、何と言ってもスパイスやハーブがふんだんに使われているのが特徴です。
そんなスパイスたっぷりのモロッコ料理ですが、辛さはほとんどなく、子どもにも親しみやすい味となっています。
さらにモロッコは、大西洋と地中海の両方に面しており、アフリカの北端に位置していることから、ヨーロッパや地中海の影響も受けています。
そのため、伝統的なアフリカ料理・中東料理に限らず、さまざまな国の要素が入り混じった独自の食文化がモロッコには根付いています。
モロッコ料理にはスパイスは欠かせません!モロッコではスパイスがキレイにディスプレイされているのが印象的ですよ。
モロッコの定番グルメ5選!
それでは、ここからはモロッコの定番グルメを紹介します!
まずはメイン料理からみていきましょう!
クスクス
モロッコ料理の代名詞とも言えるのが「クスクス」です!
クスクスは、元々モロッコなどの北アフリカの先住民であるベルベル人の伝統料理であり、何千年も前から食されている歴史の深い料理なのです。
世界最小パスタと言われているつぶつぶしたパスタを、お肉や野菜と一緒に食します。
イスラム教が国教のモロッコでは、イスラム教にとって重要な休日(安息日)である金曜日に、家族でクスクスを食べるのが習慣となっています。クスクスを食べる際はお皿に取り分けず、みんなでひとつのお皿から直接取って食べるのがモロッコ流。
タジン
モロッコの郷土料理といえるが「タジン」で、クスクスと同じくらいモロッコでは主流のメイン料理です。
実は「タジン」という言葉は、元々料理名ではなく、上部が円錐形の粘土でできた鍋を指しているので、この鍋を使えば中身は何であろうと「タジン」になります(笑)
このユニークな形をした鍋でじっくりと煮込まれた食材は、甘みが増し、とっても柔らかいのです。
モロッコはイスラム教なので、豚肉は食べません。そのため、モロッコでは、チキンやラムの肉を使ったタジンが一般的です。
オリーブや野菜の旨味が染み込んだタジンは絶品で、それはもう旅人の舌をうならして止みません。
また、モロッコは海に面しているので海鮮も豊富です。レモンが効いた魚のタジンもまた違った風味で美味しいんですよ!
モロッコ人も大好き「タジン!」このユニークな鍋で煮込むのが美味しさの秘密。日本でもタジン料理が作れますので、こちらの記事も参考にしてみてください!
モロッカンサラダ
「モロッカンサラダ」は、各野菜が細かく角切りされているのが特徴です。
モロッコで食べられるほとんどのサラダは、ハーブやスパイスで味付けされていますが、想像以上にさっぱりした味なので、スパイシーなメイン料理と一緒に食べるのにちょうど良いです。
特に私のお気に入りは、zaalouk(ザルーク)と呼ばれるサラダで、ザルークはナス・トマト・ニンニクを使った親しみやすい味に、ほどよくスパイスが効いていて、なんとも癖になる味です。
ザルークはパンと一緒に食べると止まりません!モロッコ料理にはパンは欠かせません。ということでお次はパン!
ホブズ(パン)
モロッコ料理に欠かせないのが「ホブズ(パン)」です!
「ホブズ」はアラビア語なのですが、モロッコにおいてホブズは欠かせないソウルフードであり、どこへ行っても必ず聞く単語なので、是非「ホブズ」と覚えてみてください!
実際にモロッコのレストランでは、ホブズは必ずといって頼んだ料理とセットでついてきますが、そのほとんどが料理の料金に含まれています。
また、モロッコのローカルレストランでは、ホブズで様々な食材を挟んだ、サンドイッチもよく見かけます。
円形のホブズにスパイスたっぷりのチキンやケフタを挟んで食べるサンドイッチは、まさにモロッコのB級グルメ。
値段も10DH(120円)前後で食べられます。
また、モロッコには「ハルシャ」や「バットボット」といった、モロッコの特有のモロッカンブレッドがあります。
ハルシャ(チーズ入り) バットボット
モロッコはパンが本当に美味しい!私は、モロッコのフレッシュなオレンジシュースを片手に、ホブズをほおばるのが大好きです!
モロッコのパンについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてくださいね!
ハリラスープ
「ハリラスープ」はまさにモロッコのおふくろの味!日本の味噌汁のようなもので、家庭でも飲まれている定番のスープです。
モロッコでは、イスラム教徒が年に1度行う断食明けの食事にも、このハリラスープが飲まれており、優しい味ながらも野菜や豆の栄養分がたっぷり入っています。
モロッコへ行ったら、是非ホブズと一緒に味わってみてください。
アラビアンな味付けのスープは日本ではなかなか味わえませんが、ビンで売っているのを発見しましたよ!
また、ハリラスープは自宅にある材料でも簡単に作れるので、是非作ってみてくださいね!
食にまつわるモロッコの礼儀
ここで、食にまつわるモロッコの礼儀を簡単にご紹介いたします。ちょっとした豆知識としてご覧ください!
モロッコ人は手でご飯を食べる?
モロッコ人はご飯を手で食べる習慣があり、常に右手で食事をし、左手を使って食べることはありません。というのも、イスラム教では左手は不浄とされているからです。
モロッコではパンと一緒に料理を食べるので、手でパンをちぎり、そのパンで料理を挟みながら食べる光景をよく見かけます。慣れれば、パンをまるで道具のように使いこなせるんだとか(笑)
もし、モロッコ人と食事を共にすることがあったら、真似して手で食べてみても良いかもですね!
そして、手で食事をする場合は、人差し指と中指の2本と親指で挟んで食べるのが一般的です。これは、日本でいう「正しい箸の持ち方?」みたいな感覚なのかなと私は思いましたが、真相はいかに!
ちなみに、手で食べる場合、食べ終わった指をなめる行為もNGとされています!
モロッコで食事に招かれたら拒否してはいけない?
モロッコでは、夕食に招待されたり、無料で食事を提供されたりする場合、拒否するのは失礼と見なされるという噂があります。
そのため、「旅先で食事に招かれたら、常に受け入れましょう」なんて注意喚起されている海外の方の記事もちらほら見かけます。
実際、モロッコ人は他人の善意をとても大切にする傾向があります。とはいえ、いきなり自宅に招かれたら正直困ってしまう人もいますよね。
そこで、現地モロッコ人に「モロッコで旅人がディナーまたはランチに自宅に招かれた時に、それを断ったら失礼か?」といったアンケートをとりました。
35名のモロッコ人から回答を得られましたが、その結果は…!
YES(失礼)…18名
NO(失礼に当たらない)…17名
なんともビミョーな結果に!(笑)
モロッコに限らず、「旅人にはおもてなしせよ」といったイスラム教の教えから、観光客を家に招いてくれる場合があり、その行為を「断るのは失礼」と考える人がいるのは事実です。
ですが、NOと答えた方からは、このようなメッセージをもらいました。
・強引に誘う方が失礼なので断って良い!
・よく知らない相手であれば、受け入れるべきでない
・断った場合「失礼だ」と思う人も少なからずいるが、ほとんどの人は理解してくれるよ!
・1度受け入れたのに、行かなかったら失礼になるが、最初から断れば問題ない!
ほとんどの人の意見には、相手によるという意見が多く、あまり相手を知らないのであれば無理に受け入れる必要はないとのことでした。
また、断っても「残念だ」と思う人はいるものの「怒る人はいないし、怒る方のが失礼」といった意見も多かったです。
結論、相手との関係性で判断すればOKですね!
「断るのは失礼なのかな?」なんて思っていましたが、必ずしもそうではないので安心しました!とはいえ、善意で声をかけてくれる人が多いので、断る場合は丁寧に断りましょう!
モロッコ料理を自宅で楽しんでみよう
定番のモロッコ料理と食にまつわるモロッコの礼儀をご紹介いたしましたが、なんとなくモロッコ料理のイメージはつきましたか?
是非、今すぐモロッコへ行って本場の味を食べてみてください!と言いたいところなのですが、遠い国モロッコへはそんなに気軽には行けませんよね。
そこで、日本でもモロッコ料理を楽しめるよう、おすすめのモロッコ料理の本を最後にご紹介いたします。
モロッコ料理の本は、洋書の方が種類は断然多いのですが、日本では手に入らない材料が記載されている場合も多いので、やはり日本で発行された本が使えます。
そして、私のおすすめは、日本でお店をオープンさせた、モロッコ人シェフ「エットハミ・ムライ・アメド」さんと、「寺田なほ」さん共著の「モロッコの台所」です。
レシピはそれほど多くないですが、その内容はシンプルなので、モロッコ料理の入門としてはもちろんのこと、モロッコの食文化を知りながら楽しく読めます。
この記事を読んで、モロッコ料理が気になった方は、是非ご自宅で作ってみてはいかがでしょうか?
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