アフリカ大陸の最北西に位置する、日本から遠く離れた「モロッコ」。
「モロッコ」という国名を聞いたことがあっても、「どこにある国?」「どんな国なの?」など、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
アジア・アメリカ・ヨーロッパ・中東と、様々な国へ旅行した私が1番印象に残った国が、このアフリカ大陸に位置する「モロッコ」でした。
現在は、現地モロッコのツアープランニングをしている私から、モロッコを知らない方やこれから旅行を考えている方へ、基本的な情報や治安、主な食べ物や観光地などなど、現地モロッコ人のイスマイルと共に、モロッコのAtoZをご紹介させていただきます!
この記事を読んでくれたあなたが、「モロッコに行ってみたいなぁ」と思ってくれたら嬉しいです!
目次
モロッコの基本情報編
私が良く聞かれる質問で1番多いのは、「モロッコってどこにあるんだっけ?」です!笑
日本からは13,000kmも離れているよ!
実は、あまりイメージがないかもしれないのですが、モロッコはアフリカ大陸の最北西に位置する王国で、北は地中海、西は大西洋に面しています。
モロッコは、アラブ圏の中でも最も西に位置していることから、アラビア語では「日が没すること」を意味する「المغرِب(マグリブ)」と呼ばれています。
先住民族「ベルベル人」が4000年以上も前から生活しているモロッコ王国は、アラブ人をはじめヨーロッパ諸国などの様々な人種に流入されながらも、長年の歴史を通して発展してきました。
それゆえ、モロッコはベルベル文化・アラブ文化・ヨーロッパ文化の「多彩な文化」が入り混じるユニークな国なのでしょう。
ヨーロッパ諸国による植民地支配を受けるなどの苦い歴史を持つ反面、本質的に違うともいえる様々な文化を受け入れ調和させてきたからこそ、モロッコには異国情緒溢れる独特な雰囲気と他者を受入れる人々の温かさがあるのだと感じます。
私はこのモロッコのユニークな雰囲気や人々の魅力にどっぷり魅了されてしまいました!
ちなみに、「ベルベル人」 について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください !
次はモロッコの基本概要を紹介するよ!
モロッコの概要
- 正式国名:モロッコ王国 Kingdom of Morocco
- 首都:ラバト
- 人口:約3,600万人
- 面積:約44.6万km²
- 人種:アラブ人 65% アマズィーク(ベルベル人) 30%
- 宗教:イスラム教
- 公用語:アラビア語/ タマジグト(ベルベル語)
- 通貨:ディルハム(DH)※MADと表記されることもある
- 日本との時差:-8時間 ※モロッコが正午の時、日本は同日の午後8時
日本よりも土地は大きいけど、人口は3分の1くらいなんだね…!あれ?首都はカサブランカかと思っていた。笑
「カサブランカ」という映画があるからか、外国人はモロッコ=カサブランカっているイメージがあるみたいだけど、首都はラバトなんだ。
モロッコの主な観光地編
続きまして、モロッコの主な観光地を5つご紹介いたします!
初めてモロッコへ行く方に訪れてほしい都市をピックアップしましたので、是非参考にしてみてください!
Chefchaouen(シェフシャウエン)
”青い街”と知られる「シェフシャウエン」は、フォトジェニックな街として、現在女子旅にも人気な場所です。
なぜこの街が青いのかには諸説あり、主に「青はイスラムの神聖な色のため」や「虫除けのため」などと言われておりますが、有力なのは、かつてこの街に住んでいたユダヤ人が、自分たちの縄張りを示すために「青い建物」を建てたのが始まりだったとのことでした。
青一色で彩られているシェフシャウエン街を歩いていると、まるでおとぎ話の中にでもいるような感覚になります。さらには、日中の光のかかり方で、青色が変化する様子もとても美しいです!
人や街の雰囲気が穏やかで静かなところも、シェフシャウエンの良いところ!
シェフシャウエンは比較的標高が高い場所にあります。そのため、10月頃でもとても寒く感じました。防寒対策はしっかりしてくださいね!
Fez(フェズ)
モロッコの北東部に位置する都市「フェズ」は、かつてのイスラム王朝が首都に定めていた場所で、古都にあたります。
「フェズ」に住む人々は、この地がかつて中心地であったことを、今でも誇りに思っているんだ!
「迷宮の都市」としても知られる旧市街は、世界遺産にも登録されており、「フェズ・エル・バリ」と「フェズ・エル・ジェディド」の2つに分かれています。
旧市街は、世界に現存する最古の教育機関があることでも有名で、かつては学問の中心としてアラブ諸国から沢山の留学生を受け入れていました。
また、フェズは職人の街でもあることから、モロッコの素晴らしい伝統工芸品を目にすることができます。特に有名な観光スポットが「皮なめし工場(タンネリ)」です。
皮なめし工場 (タンネリ) 皮を染めている職人たち
この工場では、化学物質を使わずに植物やサフランなどの自然物を使用する”昔ながらの革なめし”が行われています。
皮なめしの工場の臭いはとってもキツイので、地元の人に渡される”ミント”を鼻に突っ込んだまま見学するのが定番です!(笑)
Sahara Desert /Merzouga(サハラ・メルズーガ)
モロッコを知らない人でも、1度は耳にしたことがある「サハラ」は世界最大の砂漠です。モロッコに訪れた際は是非とも訪れてほしい場所です。
写真では伝えきれませんが、どこまでも続く美しい砂漠の情景は「圧巻!」の一言に尽きます!その壮大さを目の当たりにすると、世界最大級の砂漠というのも納得できます。
夕日をバックにラクダに乗って砂漠のど真ん中へ! サハラ砂漠の朝日
また、砂漠から眺める朝日・夕日・星空は本当に美しく格別!日本では見ることのできない景色に、魅了されること間違いなしです!
’’確かにこの星に生きているんだ…’’そんな実感が心から湧き上がってきました。あまりの星空のキレイさに、私はテントの外で寝てしまいました…(笑)
また、多くのツアーではベルベル人の音楽を楽しんだりと、ベルベル文化に触れられるのも魅力の1つです。
モロッコに来るなら、サハラは絶対オススメ!4WDの車で砂漠を駆け抜けたり、サンドボーディングなんかもできるよ!
Ourzazate(ワルザザート)
モロッコ中部、アトラス山脈の南側に位置する「ワルザザート」はサハラ砂漠の玄関口ともいわれる都市です。
街全体が”土色”なのですが、その理由はワルザザートの強い日差しにあるとのこと。実は真夏は50℃にもなるワルザザートでは、日差による劣化を避けるために、建物が土色に統一されているのです。
また、ワルザザートの周辺には、世界最大規模の映画スタジオ「アトラススタジオ」があるほか、先住民であるベルベル人が、主に防衛を目的として作った城砦や邸宅の「カスバ」が数多く残されています。
ワルザザートの街中は土色一色! 世界遺産の「アイット・ベン・ハッドゥ」
そして、世界遺産でもある「アイット・ベン・ハッドゥ(アイトベンハッドゥ)」は、ワルザザートの最も有名な観光スポットです。
僕の育った町でもあるワルザザートは、砂漠への入り口みたいなもの。マラケシュからメルズーガへ直接行くとなると、10時間以上もかかるから、ワルザザートで1泊するのがオススメだよ!
モロッコ観光のモデルコースは、こちらで詳しく解説しています!
Marrakesh(マラケシュ)
モロッコの最大観光地ともいえる「マラケシュ」は、ものすごい活気があり、毎日多くの観光客が訪れています。
特に賑わう「ジャマエルフナ市場」は、モロッコ最大級のショッピングマーケットや屋台が立ち並び、夜遅くまで楽しむことができる観光スポットです。
ジャマエルフナ市場のスーク 夜は屋台が沢山オープンします。
このマーケットでは、モロッコの陶器や食器、ラグや革製品など、モロッコの雑貨を取り扱うスーク(お店)が迷路のように続いており、まさにお買い物天国といえるでしょう!モロッコのお土産を買うなら、ジャマエルフナ市場に行けば間違いなしです。
そのほかマラケシュには、有名デザイナーのイブ・サンローランが買い取ってしまうほど愛した「マジョレル庭園」や、モロッコの伝統技法の装飾が美しい「バヒア宮殿」などの観光スポットもあります。
さらには、モロッコ最大級の学校「アリー・ブン・ユーセフ・マドラサ」などの歴史的な建築物が残されており、様々な建築様式を楽しめるのもポイントです。
残念ながら「アリー・ブン・ユーセフ・マドラサ」は2021年11月現在、工事中で閉鎖ととなっております。いつ終わるのやら…!
マラケシュは様々な顔をあわせ持っている点も魅力的なんです。
次は、旅でも役立つモロッコの現地情報についてご紹介するよ!
モロッコ現地情報編
【宗教】モロッコはイスラム教の国!
モロッコの国教はイスラム教です。
全国民の90%以上がイスラム教を信仰しているモロッコでは、人それぞれイスラム教の信仰度合いに差はあるものの、基本的なイスラム教の教えを重んじている人がほとんどです。
モロッコのイスラム教については、こちらに詳しく書いてありますので、参考にしてみてくださいね!モロッコで唯一観光客にも開放しているモスクもご紹介しています!
ちなみに、2022年のラマダン期間は4月1日(金)夕方頃~4月30日(土)夕方頃!僕たちにとって、1年で1番大切な月なんだ。
【治安】モロッコの治安はどうなの?
モロッコはアフリカ全土の中でも比較的治安は良く、1人旅や女子旅にも人気があります。とはいえ、モロッコに限った話ではなく、金銭目的や性目的の犯罪が多発していることから、ご自身で巻き込まれないよう外出や観光の際には注意が必要です。
特に女性のひとり旅であれば、夜は出歩かない!知らない人についてかない!ひとけの少ない場所にはいかない!の3つを最低限守ることをオススメします!
ちなみに、マラケシュやワルザザート、エッサウィラの中心街は、夜に賑うので、スリに気をつければ夜の街を楽しめますよ!
モロッコの治安についてはこちらで詳しく解説しています!
【通貨・物価】モロッコの物価は安い?
海外旅行の際に気になるのが、やはり通貨や物価についてですよね。
モロッコの通貨単位はディルハム(DH)で、レートは1DH=約12.52円です。(2021年11月現在)
私はいつも、1DH=13円で計算しています!
モロッコの物価は日本と比較すると全体的に安く、食事や交通費は日本の3分の1以下くらいに感じることもありました!
ただし、マラケシュやカサブランカの都市部での物価はやや高めで、特に観光地のお店やレストランは、東京と比べてさほど変わらないことも…。
また、ショッピングは値段交渉で値段が決まることが多いので、モロッコの物価は単純ではないといえます。
モロッコのお金の事情については下記の記事を参考にしてみてくださいね!
【言語】モロッコで英語は通じるの?
そういえば、イスマイルは英語がペラペラだけど、モロッコ人で英語ペラペラな人ってあまり少ないような…
うん。モロッコでは、英語よりもフランス語が主流なんだ。義務教育でも英語はないけど、フランス語は必須!
モロッコの公用語は、アラビア語とタマジーグ語(ベルベル語)、第二言語はフランス語です。人によっては英語は通じることもありますが、それほど流暢な人はいません。
とはいえ、観光地では簡単な英語でコミュニケーションをとることができます!
逆に、村や田舎の方では、全く通じないこともあるので、モロッコの現地の人と交流したい場合は、簡単なアラビア語は覚えておくと、旅が数倍楽しくなりますよ!もしよければこちらもご覧になってみてくださいね!
【気候・服装】モロッコ旅行でオススメの時期は?
モロッコでは、1年の中で日本と同じように春夏秋冬があります。サイクルもほとんど同じではあるのですが、なにせアフリカに位置するモロッコ。夏は50℃近く気温が上がることも多く、とっても暑いです!
夏の期間はほんっとに暑かった!でも、湿度はそこまで高くないかんじです。ただ、日差しが強いのでモロッコの夏には日焼け止めや帽子はかかせません!
また、モロッコはイスラム教の国なので、あまり露出度の高い服装はなるべく避けた方が良いです。欧米人などで観光客は気にしていない人も見かけますが、現地の人はあまりよく思っていない人もいるのが現状です。
ずばり、モロッコ旅でオススメの月は…9月〜11月頃です。比較的気候が過ごしやすいのと、真夏までは暑くなく、特に9月は夏の名残でフルーツも豊富!!2月〜3月も場所によっては寒いですが、比較的旅しやすいです。
一方で、7月頃〜9月前半は現地の人のバケーションとかぶるので、結構混雑します。また、12月はハイシーズン、4月〜5月はラマダンの時期とかぶる可能性があるので、要チェックです。
ラマダンの時期は、ほとんどのお店が日中閉まるから、旅行者には少し不便だよ。でももし、イスラムの文化や習慣に興味があるなら、むしろオススメ!モロッコ人はラマダンだろうと観光客は歓迎しているよ!
ラマダンの時期のモロッコを知りたい場合はこちらもチェックしてみてくださいね!
【食べ物】モロッコといえば「クスクス」と「タジン」
そういえば、モロッコ人って毎日「タジン」食べてるの?笑
毎日じゃないけど、確かに「タジン」はよく食べるかな。あとハリラはモロッコの国民食なんだ!あとは、毎週金曜日には「クスクス」を食べる習慣があるよ。
モロッコっといえば、「タジン」と「クスクス」!タジンの中身はというと、お肉・野菜・魚と様々で、特にお肉なんかは、チキン・ビーフ・ラムとバリエーションが豊かです。
そして、モロッコ現地の人にとって大切なのが、毎週金曜日の「クスクス」です。礼拝日である金曜日は、もはや祝日みたいなもので、毎週家族そろってお昼にクスクスを食べる習慣があります。
金曜日の日中は、あらゆるお店がしまっていることもしばしば…!それだけ現地の人にとって大切な日だということです。
モロッコの食べ物についてもっと知りたい!という方はこちらを参考にしてみてください!
【航空・交通】モロッコへは直行で行ける?国内移動は?
モロッコと日本間の航空情報
日本からモロッコへの直行便はありません。主な経由地は以下の通りです。
・アラブ首長国連邦(アブダビ・ドバイ)
・カタール(ドーハ)
・トルコ(イスタンブール)
・フランス(パリ)
ちなみに、日本⇄モロッコ間の航空券は、下記の2つの空港にしか到着せず、そのほとんどがカサブランカのムハンマド5世国際空港です。また、マラケシュ・メナラ空港の航空券は少し高めです。
空港名 | 空港コード | 都市 |
ムハンマド5世国際空港 | CMN | カサブランカ |
マラケシュ・メナラ空港 | RAK | マラケシュ |
オススメなのはカタール空港!比較的乗り継ぎ時間が少なく、サービスもGOODなのに値段もこの中だと安い!
モロッコ国内では、ほとんどの都市へは鉄道とバスで行くことが可能です。
ただし、主な観光都市はそれぞれ離れていて、移動時間は片道3時間~8時間程かかりますので、旅のプランは事前にある程度決めておいた方が効率良く回ることができます。
モロッコ国内の移動情報
◆鉄道 「ONFC」 について◆
モロッコでは「ONFC」という国営の鉄道が走っています。各都市への移動の時間や料金の例はこちら!
区間 | 移動時間 | 料金 |
ムハンマド国際空港→マラケシュ | 3時間30分 | 99DH〜150DH(約1,188円〜1,800円) |
マラケシュ→フェズ | 6時間30分 | 215DH(約2,580円) |
フェズ→タンジェ | 4時間30分 | 110DH(約1,320円) |
カサブランカ→ラバト | 1時間 | 40DH(約480円) |
※値段は、時間帯や列車の等級によっても変わるため、事前に確認しましょう。
ちなみに、観光都市のワルザザートや、サハラ砂漠へは鉄道は通っていませんので、バスや車を利用します。
サハラへは自力で行くのは結構難しいから、現地ツアーを利用するのがオススメだよ!
■鉄道ONCF:公式HPはこちら オンライン予約はこちら
◆バス 「CTM」・「Supratours」 について◆
CTM Supratours
モロッコではバスも多く利用されており、観光客向けの長距離バスも沢山走っています。
長距離バスについては「CTM」と「Supratours」の2社が運行されています。
各都市への移動の時間や料金の例はこちら!
区間 | 移動時間 | 料金 |
カサブランカ→マラケシュ | 3時間30分 | 115DH(約1,380円) |
カサブランカ→シェフシャウエン | 7時間30分 | 155DH(約1,860円) |
マラケシュ→エッサウィラ | 2時間30分 | 75DH(約900円) |
マラケシュ→ワルザザート | 4時間30分 | 95DH(約1,140円) |
マラケシュ→フェズ | 10時間 | 170DH(約2,040円) |
フェズ→メクネス | 1時間 | 25DH(約300円) |
※値段は、時間帯やバスのグレードのによっても変わるため、事前に確認しましょう。
バスを利用する際に大きな荷物を預ける場合は、別途で荷物代(5DH)がかかりますよ!
■CTM:公式HPはこちら
■Supratours:公式HPはこちら オンライン予約はこちら
※Supratoursは鉄道「ONCF」が運営しているため、同じ予約サイトとなります。
異国の国モロッコを「体験」を通して感じでほしい
他にもモロッコには観光都市や魅力が沢山ありますが、基本的な部分は知ってもらえたのではないでしょうか。モロッコに実際に足を踏み入れると、「ここは本当に同じ地球!?」と思うほど何もかもが違います。
AtoZ Moroccoでは、現地旅行会社SAHA Tourと連携して、完全オリジナルなツアーのプランニングをしています。旅のプランから帰国まで、クライアントさんに寄り添い、共に旅をつくっていきたいという想いから、カスタムメイドのツアーをご提案しています。
観光地や映えスポットだけではない、モロッコの暮らしや人々に触れる「体験」を通して、ぜひモロッコのを感じてもらえたら嬉しいです。ガイドブックには載っていないモロッコのスポットや情報なども、ご提供していますので、お気軽にご相談くださいね!
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